現行教育基本法と「新教育基本法案」の比較

現行教育基本法と「新教育基本法案」の比較



2006年3月23日 (木)、自民・民主・国民新党・新党日本・無所属合わせて378名で組織する、教育基本法改正促進委員会総会が開催され、「新教育基本法案」が発表されました。現行基本法とどのように変えられているのかが分かりやすいように、比較対象してみます。なお、こちらのBLOGにて、条文や立法意思の検討や反応のリンク集などを作成しています。
※なお、今国会で提出されたのはこちらのバージョンです(2006年11月20日追記)。


現行基本法 教育基本法改正促進委員会による「新教育基本法案」
前文

 われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及徹底しなければならない。
 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。
前文

人類社会は今、幾多の歴史的経験の中で、世界の平和と繁栄、自然と人類との共生社会の実現をめざしている。
我らは自他の敬愛と協力のもと、自然との調和、多様な文化の受容と共存を培ってきた我が国の誇りある文化を受け継ぎ発展させ、人類社会に貢献することが、崇高な使命であることを確信する。
 我らは、この使命を果たすために、広い国際的視野を保持し、我が国の豊かな伝統と文化に立脚する新しい教育の意義を自覚しなければならない。
 ここに、その使命の実現が、家庭、学校、社会、国家を通じた教育によるものと認識し、我が国の教育の新しい基本を確立するため、この法律を制定する。
(教育の目的)第1条

教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
(教育の目的)第一条

一 教育の目的は、各個人に内在する可能性と価値を開花させ、心豊かな個人を育成するとともに、共同体とのかかわりの中で人格を陶冶し、家庭、社会、国家、ひいては世界に貢献する日本人の育成を図ることにある。

二 この目的を達成するため、あらゆる段階において、伝統と文化の尊重、愛国心の涵養及び道徳性の育成を図るものとする。
(教育の方針)第2条 

教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。
(教育の方針)第二条 

一 教育は、あらゆる機会、あらゆる場所で行われなければならない。国民は、ひとしく教育の目的達成に努めるものとする。

二 国民は、教育の目的を達成するに当たり、その自由と権利が尊重され、国家の一員としての責任を自覚して社会的参加を果たし、文化の継承と発展に貢献するよう努めるものとする。

三 男女は、互いにその特性を生かし、相互に協力し合って家庭、社会、国家を共に担う責務があることを、教育上重視するものとする。
(教育の機会均等)第3条 

すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。

 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって就学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。
(教育の機会均等)第三条

一 すべて国民は、その能力に応じてひとしく教育の機会が与えられ、人種、信条、性別、身体上若しくは精神上の障害又は社会的身分によって、教育上差別されない。

二 国及び地方公共団体は、意欲と能力があるにもかかわらず、経済的理由によって就学困難な者への奨学の方法を講じなければならない。
※関連:第7条 (生涯学習)第四条

一 国及び地方公共団体は、国民が生涯にわたってあまねく学習の機会を得ることが出来るよう、教育機会の整備拡充に努めるものとする。
(男女共学)第5条

 男女は、互いに敬重し、協力しあわなければならないものであって、教育上男女の共学は、認められなければならない。
※関連:第二条3項
(家庭教育) 第五条

一 教育の原点は家庭にあり、親は人生最初の教師であることを自覚し、自らが保護する子供を教育する第一義的責任を有する。

二 国及び地方公共団体は、家族の絆を育成及び強化し、家庭教育の充実を図るため適切な支援を行う責務を有する。
(幼児教育)第六条 

一 幼児教育が生涯にわたる人間形成の基礎となる重要性にかんがみ、国及び地方公共団体は、その振興に努めるものとする。

二 国は、幼児の心身ともに健やかな発育を期し、幼児教育の大綱的基準を定める。

三 幼児教育は、家庭との緊密な連携を図り、これを助け、かつ補完するものでなければならない。
(学校教育)第6条 

法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。

2 法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であって、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。このためには、教員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。
(学校教育)第七条 

一 法律に定める学校における教育活動は、公の性質をもつ。

二 学校教育は、教育の目的を実現するための中心的な機能を有する。
(社会教育)第7条 

家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。

2 国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館等の施設の設置、学校の施設の利用その他適当な方法によって教育の目的の実現に努めなければならない。
(学校・家庭・地域の連携と協力)第八条

一 国及び地方公共団体は学校、家庭及び地域社会が相互に緊密な連携と協力を図り、教育の目的達成と教育環境の整備を図るよう努めるものとする。
(義務教育)第4条 

国民は、その保護する子女に、9年の普通教育を受けさせる義務を負う。

2 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。
(義務教育) 第九条

一 国は、義務教育に対する権限と責任を有する。

二 国民は、教育の目的を達成するため、その保護する子供に一定期間の普通教育を受けさせる義務を負う。

三 義務教育は、これを無償とする。
(初等中等教育)第十条

一 国は、初等中等教育について全国的に一定水準を確保する責務を有し、内容その他の基本的な事項を定めるとともに、その達成状況の評価を行う。

二 地方公共団体は、国の定めた初等中等教育に関する施策を確実に遂行するものとし、更に地域の特性に応じ、独自の基準の制定その他の独自の施策を立案実行することができる。
(高等教育)第十一条

一 高等教育は、高度で専門的な知識を備えた人材の育成を図るとともに、真理の探究を通じて、新たな知見を生み出し、学術の進展や我が国及び国際社会の発展に貢献することを期して行われなければならない。
(私学振興) 第十二条

一 国及び地方公共団体は、公教育の一翼を担う私立学校の重要性にかんがみ、その振興に努めるものとする。

二 私立学校の建学の精神及びその多様性と自主性は尊重されなければならない。
(教員)第十三条 

一 法律に定める学校の教員は、法令に従い、教育の崇高な使命を自覚して教員としての資質と能力の向上を図り、専門性を高め、その職責を遂行して教育の目的達成に努めるものとする。

二 国及び地方公共団体は、教員の身分を尊重し、その待遇の適正を図らなければならない。

三 初等中等教育に携わる教員は、教育活動の全ての領域について、適切な指導と評価を受けるものとする。
(職業教育)第十四条

一 国及び地方公共団体は、国民が個性と能力に応じ、職業に関する知識と技能を身につけることを期し、職業教育の振興に努めるものとする。
(政治教育)第8条 

良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。

2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
(公民教育)第十五条

一 公民教育は、国民が社会における自己の責任を自覚し、国家社会の発展に積極的役割を担うことを目的として行われなければならない。

二 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
(宗教教育)第9条 

宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。

2 国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。
(宗教に関する教育) 第十六条

一 宗教に関する教育は、宗教への理解と寛容の態度を養うことが重視されなければならない。

二 宗教的情操の涵養は、道徳の根底を支え人格形成の基盤となるものであることにかんがみ、教育上特に重視するものとする。

三 国及び地方公共団体が設置する学校においては、特定宗教の信仰に導き、又はこれに反対するための教育を行ってはならない。
(環境教育) 第十七条

一 地球環境を保全するため、あらゆる段階において、自然を尊び、自然との共生や一体感をはぐくむ教育を重視するものとする。
(国及び地方公共団体の役割分担)第十八条

一 国は、教育の機会均等と教育水準の維持向上が図られるよう、地方公共団体との適切な役割分担を行い、これを監督する権限を有する。

二 地方公共団体は、国との緊密な連携を図り、区域内の教育に関する施策を策定し、これを実施する権限と責任を有する。
(教育行政)第10条 

教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。

2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。
(教育振興基本計画)第十九条

一 国は教育の目的を達成するため、総合的な基本計画を定めるとともに、それを実施する責務を有する。

二 国は、毎年、基本計画について達成状況その他の必要な事項を国会に報告しなければならない。
(補則)第11条 

この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない。
(補則) 第二十条

一 この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない。




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